近年、クラウドサービスの普及やリモートワークの定着により、企業の情報システム部門には「安全かつ効率的なID管理」が求められるようになっています。そこで注目されているのが、シングルサインオン(SSO)です。SSOを導入することで、従業員は1つのIDとパスワードで複数の業務アプリにアクセスでき、利便性の向上と同時にセキュリティ対策の強化も実現できます。また、管理者にとっても、パスワード管理やアカウント設定にかかる工数が大幅に削減され、IT部門の負担軽減につながります。
そこで今回は、SSOの基本から導入のメリット、選び方のポイント、そしておすすめ製品までを網羅的に紹介します。
目次
SSO(シングルサインオン)とは?

シングルサインオン(SSO)とは、ユーザーが一度ログイン認証を行うだけで、複数のシステムやサービスへアクセスできる仕組みです。この機能により、サービスごとに異なるIDやパスワードを毎回入力する手間が省け、利便性が大きく向上します。
SSOを導入していない場合は、システムごとにログイン情報を管理しなければならず、パスワードの使い回しや設定の甘さが情報漏えいのリスクを高める要因となります。一方、SSOを活用すれば、強固なパスワードを一つだけ覚えておけばよく、セキュリティの強化につながるだけでなく、業務の効率化も図れます。
近年は、リモートワークの普及やクラウドサービスの活用が進む中で、多くの企業がSSOを導入しています。ID管理の負担を軽減し、認証にかかるコストを抑える目的から導入が進んでおり、企業の情報管理体制を支える仕組みとして注目されています。
SSOの仕組みの種類

SSO(シングルサインオン)は、1つの認証手段で複数のサービスにログインできる便利な仕組みです。ここでは、主に4つのSSOの仕組みについて詳しく解説します。
代行認証方式の仕組み
代行認証方式では、クライアントPCに専用のエージェントソフトウェアをインストールします。このエージェントが各サービスのログイン画面を監視し、検出した際に、あらかじめ登録された認証情報を自動で入力します。
対応可能なシステムの種類が多く、比較的スムーズに導入できるのが特長です。既存のWebアプリケーションやクライアント・サーバ型のシステムにも柔軟に対応できるため、さまざまな環境で活用されています。
ただし、クライアントPCへのエージェント導入が前提となるため、各端末における初期設定が必要です。
リバースプロキシ方式の仕組み
リバースプロキシ方式は、ユーザーの認証をリバースプロキシサーバ経由で行う仕組みです。ユーザーはまずリバースプロキシサーバにログイン情報を送信し、その後、各サービスへのアクセスが可能になります。
この方式の利点は、Webアプリケーション側にエージェントを導入する必要がないことです。そのため、導入に伴うコストや工数を抑えやすく、既存のネットワーク構成を大きく変更せずに利用できます。
一方で、全ての通信がリバースプロキシサーバを経由するため、サーバに負荷が集中しやすい点には注意が必要です。
エージェント方式の仕組み
エージェント方式では、各サービスのサーバにエージェントモジュールを導入します。ユーザーが認証を行うと、エージェントが認証サーバと連携し、他のサービスにも自動でログインできるようになります。
この方式の利点は、リバースプロキシ方式と比べて通信の集中によるボトルネックが起きにくく、既存のネットワーク構成を大きく変更せずに導入できる点です。ただし、対象サービスごとにエージェントを個別にインストールする必要があるため、対応可能な範囲を事前に確認しておくことが求められます。
SAML認証方式の仕組み
SAML(Security Assertion Markup Language)認証方式は、IdP(Identity Provider)とSP(Service Provider)の間で認証情報をやり取りする仕組みです。ユーザーは最初にIdPで認証を受けることで、その認証情報をもとにSAML対応のクラウドサービス(SP)へ自動的にログインできます。
この方式の利点は、セキュリティ性が高く、複数のクラウドサービスに対応できる点にあります。一方で、SAMLに対応していないシステムでは利用できないため、事前に対象サービスの対応状況を確認する必要があります。
SSO導入の主なメリット

ここからは、SSOを導入することで得られる主なメリットを解説します。
ID・パスワード管理の効率化
SSOを導入するメリットの一つは、複数のシステムやサービスを利用する際のID・パスワード管理を効率化できる点です。従来は各サービスごとに異なるパスワードを設定・管理する必要があり、ユーザーにとっては煩雑で手間のかかる作業でした。
しかし、SSOを活用すれば、ひとつのIDとパスワードを覚えておくだけで複数のシステムにアクセスできるようになります。これにより、パスワードの紛失や入力ミスによるアカウントロックのリスクを大きく減らすことができます。
また、管理者側にとっても、パスワードのリセット依頼やアカウント関連の問い合わせ対応にかかる時間が削減され、IT部門の負担軽減にもつながります。
セキュリティの強化
SSOの導入は、セキュリティ対策の一環としても効果的です。認証情報を一元管理することで、複数のパスワードが漏洩するリスクを抑えられます。また、ひとつの強固なパスワードで複数のシステムにアクセスできるため、パスワードの使い回しや簡易なパスワード設定を防ぎ、脆弱性の低減につながります。
さらに、SSOに多要素認証(MFA)を組み合わせることで、不正アクセスへの対策が一層強化されます。仮に認証情報が外部に漏れた場合でも、ワンタイムパスワードや生体認証などを追加すれば、被害の拡大を抑止できます。
業務効率の向上
SSOは、従業員の業務効率を高めるうえでも効果的です。複数のシステムやサービスにアクセスする際、ログイン操作を一度行うだけで済むため、毎回の入力作業にかかる時間と手間を削減できます。特に日常的にクラウドサービスや業務アプリを多用する職場では、こうした利便性の高さが実感しやすいでしょう。
さらに、パスワードの紛失や入力ミスによるアカウントロックが減ることで、復旧にかかる対応時間も短縮されます。結果として、従業員は本来の業務に集中しやすくなり、全体の生産性向上にもつながります。
SSOの分類と特徴

SSOは、主にクラウド型とオンプレミス型に分かれ、それぞれ特徴や利用シーンが異なります。ここからは、SSOの分類と特徴について解説します。
クラウド型SSOのメリットと注意点
クラウド型SSOは、迅速に導入できる点や初期コストを抑えられる点が大きなメリットです。対応可能なサービスも多く、特にリモートワークやSaaSの活用が進んでいる環境では利便性が高まります。たとえば、Google WorkspaceやMicrosoft 365などの主要なクラウドサービスとも連携しやすく、日常業務への適用がスムーズに行えます。
一方で注意すべき点もあります。クラウド環境では不正アクセスやデータ漏洩のリスクが常に存在するため、セキュリティ対策は欠かせません。多要素認証(MFA)の導入やIPアドレスによるアクセス制限といった対策が求められます。
また、既存のオンプレミスシステムとの連携に制限が生じることもあります。
オンプレミス型SSOのメリットと注意点
オンプレミス型SSOは、自社環境に合わせて柔軟に設計できる点が特長です。カスタマイズの自由度が高く、業務に最適化された運用が可能となります。セキュリティ面でも、認証情報やアクセスログなどのデータを社内に保持できるため、外部への情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。
また、既存の業務システムと統合しやすく、クラウド型と異なりインターネット環境に依存しない運用が可能です。特に閉域ネットワークで構成されたシステムでは、高い親和性を発揮します。
一方で、初期導入コストが高額になりやすく、継続的な運用・保守には専門的な知識とリソースが必要です。さらに、システム障害が発生した場合には、SSO全体の利用が停止する可能性があるため、可用性を確保するための冗長化設計が求められます。
特にC/S(クライアント・サーバ)型システムを含む複雑な構成では、導入前に対象範囲や要件を明確に整理し、技術的な整合性を検討することが重要です。
SSOを選ぶ際のポイント

SSOを導入する際、選定基準を理解することが重要です。ここでは、適切なSSO選びに役立つ主要ポイントを詳しく解説します。
自社の利用環境に適しているか
SSOを選定するうえでは、自社の利用環境に適しているかを確認することが最も重要です。たとえば、現在のシステム構成や、今後導入を予定しているシステムとの互換性を見極める必要があります。
オンプレミス型・クラウド型・ハイブリッド型といった環境の違いに応じて、適応可能なSSOを選ぶことで、導入後の運用をスムーズに進めやすくなります。また、自社のセキュリティ要件や運用体制に柔軟に対応できるかどうかも、選定時に確認すべきポイントです。
対応している認証プロトコルの種類
SSOの選定においては、対応している認証プロトコルの種類も重要な検討ポイントとなります。SAMLやOpenID Connectなど、標準的な認証プロトコルに対応しているかを確認することで、さまざまなシステムへの導入がしやすくなります。
特に、クラウドサービスやオンプレミス環境との連携を予定している場合は、これらのプロトコルが利用可能かどうかが成否を左右します。なお、特定の認証方式にしか対応していないSSO製品では、将来的なシステム拡張や他サービスとの統合に制限が生じるおそれがあるため、慎重な確認が必要です。
多要素認証(MFA)やセキュリティ機能の充実度
多要素認証(MFA)は、SSOを選定する際に重視すべきセキュリティ機能の一つです。たとえば、デバイス認証やワンタイムパスワード、指紋認証、生体認証などの追加認証に対応しているかを確認することで、より強固なセキュリティ対策が可能になります。
さらに、アクセス制御や不正ログイン防止など、全体としてのセキュリティ機能の充実度も重要な選定基準です。これらの機能が一体的に組み込まれているSSOであれば、システム全体の安全性が高まり、運用上のリスクを抑えることにもつながります。
カスタマイズ性や拡張性
SSOのカスタマイズ性や拡張性は、長期的な運用を見据えるうえで重要な要素です。たとえば、新しいアプリケーションやシステムを導入する際に、容易に連携できることは、日々の運用効率を高めるうえで欠かせません。
さらに、自社の認証ポリシーやセキュリティ要件に合わせて柔軟にカスタマイズできる製品を選定することで、組織全体のシステム構成にも対応しやすくなります。
操作性と管理画面の使いやすさ
SSOを選定する際には、操作性や管理画面の使いやすさも重要な判断材料となります。特に、直感的に操作できるユーザーインターフェースや、管理者がユーザーの追加や削除を容易に行える機能があると、導入後の運用がスムーズになります。
さらに、リアルタイムで使用状況やセキュリティインシデントをダッシュボード上でモニタリングできる製品であれば、日常の管理業務の効率化にもつながります。
サポート体制とベンダーの信頼性
SSO製品を選定する際は、サポート体制とベンダーの信頼性も見逃せないポイントです。導入時の支援に加えて、運用中のトラブルに対して迅速かつ的確に対応してもらえるかを確認しておきましょう。
また、日本語によるサポートが利用できるかどうかも重要です。加えて、過去の導入実績やユーザーからの評価も、製品選定の参考になります。
コストとROI(投資対効果)のバランス
SSOを導入する際には、コストとROI(投資対効果)のバランスを慎重に見極めることも大切です。初期費用に加えて、月額料金やオプション機能の追加費などを含めた総コストを把握しておく必要があります。
同時に、業務効率の向上やセキュリティ強化によって得られる長期的なコスト削減効果も考慮しましょう。
おすすめのSSO製品10選

SSO製品は数多く存在し、機能や料金体系もさまざまです。自社に最適なサービスを選ぶには、対応範囲やセキュリティ、操作性など多角的な視点が欠かせません。ここでは、実績と信頼性のあるSSO製品を厳選してご紹介します。
ツール名 | 特徴 | 強み/用途 | 価格プラン例 |
---|---|---|---|
Okta | 7,000以上のアプリ連携に対応したクラウド型統合認証基盤 | 大規模・グローバル企業向け/豊富な統合と拡張性 | 個別見積 |
GMOトラスト・ログイン | SAML/フォーム/BASIC認証対応・導入1万社超 | コスト重視の企業/国産の手厚いサポートと高機能 | 無料プラン 有料300円~/月 |
OneLogin | ゼロトラスト対応/MFA・リスクベース認証・豊富なプロトコル | セキュリティ重視の中〜大企業/多様なクラウド・オンプレ環境対応 | 無料トライアル 有料プランあり |
HENNGE One | 国内導入数No.1/ID統合・DLP・標的型攻撃対策を統合 | Microsoft 365やGoogle Workspaceと併用する企業/国内サポート重視 | 個別見積 |
CloudGate UNO | 国産IDaaS/柔軟なアクセス制御とパスワードレス認証 | ゼロトラスト志向/中堅企業~大企業向け/UI・UXが分かりやすい | 400円~/月(Smart Packは600円) |
IceWall SSO | 日立製Web SSOソリューション/代理認証・多様な導入方式に対応 | 既存システムとの親和性重視の企業/リバースプロキシ・エージェント両対応 | 個別見積 |
Gluegent Gate | シンプルUI・SSO+MFA+統合ID管理を実現する国産IDaaS | 中小企業〜中堅企業/Google Workspace・Microsoft 365との併用に最適 | 100円~/月(Unlimitedは1,000円) |
AccessMatrix USO | 非改修導入/AS/400や仮想環境にも対応可能な高汎用SSO | 金融・製造業など高セキュリティが求められる現場向け/レガシー資産の活用に強み | 個別見積 |
LastPass Business | パスワード管理中心のSSO機能+ダークウェブ監視や家族利用特典付き | 中小企業/パスワード管理重視/低価格かつ多機能 | $7/月(Business)〜 $9/月(Max) |
JumpCloud | デバイス・ID・アクセス制御を統合/クロスOS&SAML/OIDC連携が可能 | IT一元管理志向/中堅~エンタープライズ/SaaSモニタリングなど豊富なゼロトラスト機能を搭載 | $11/月(SSO)~ $13/月(Directory) |
Okta

出典:https://www.okta.com/ja-jp/
Oktaは、世界で19,000社以上に導入されているクラウド型の統合認証基盤(IDaaS)で、SSOや多要素認証(MFA)などの包括的なアイデンティティ管理機能を備えています。7,000以上のアプリケーションと連携できる実績があり、Google WorkspaceやMicrosoft 365など、主要な業務アプリともスムーズに接続できます。
ユーザーごとのアクセス制御やライフサイクル管理機能も充実しており、社内外のユーザー情報を一元的に管理することが可能です。また、ガートナーのアクセス管理分野においても高く評価されており、セキュリティの信頼性においても一定の実績があります。
参考:Okta
GMOトラスト・ログイン

GMOトラスト・ログインは、GMOインターネットグループが提供するクラウド型のSSOおよびID管理サービスです。10,000社以上の導入実績があり、8,000を超えるクラウドサービスや業務アプリとの連携にも対応しています。SAMLやフォームベース、Basic認証など各種プロトコルに対応しており、社内システムからSaaSまでのアクセスを一元的に管理できます。
多要素認証(MFA)やIPアドレス制限、デバイス制限といったセキュリティ機能も充実しており、さまざまな業種や企業規模に対応可能です。無料プランでは基本的な機能を提供しており、月額300円の有料プランでは全機能を利用できます。
参考:GMOトラスト・ログイン
OneLogin

出典:https://www.onelogin.com/jp-ja/
OneLoginは、グローバルに展開されているIDaaS型のSSOソリューションであり、ユーザー・アプリケーション・デバイスすべてに対して、安全かつシンプルなアクセス管理を実現します。中小企業から大企業まで、さまざまな規模の企業に対応できる柔軟性を備えており、ゼロトラストの考え方に基づいた高いセキュリティと利便性を両立しています。
対応プロトコルはSAML、OpenID Connect、LDAP、RADIUSなど多岐にわたり、Microsoft 365やGoogle Workspace、Salesforceなどの主要なクラウドサービスともスムーズに連携可能です。また、多要素認証(MFA)やリスクベース認証、デバイス制御といった機能により、企業ごとのセキュリティポリシーにも柔軟に対応できます。
参考:OneLogin
HENNGE One

出典:https://hennge.com/jp/service/one/
HENNGE Oneは、国内シェアNo.1(ITR調査)を誇るクラウド型セキュリティプラットフォームです。シングルサインオン(SSO)を中心に、ID管理、情報漏洩対策、標的型攻撃対策などの機能を一体化したサービスで、Microsoft 365やGoogle Workspace、Salesforceをはじめとする230以上のクラウドサービスと連携可能です。多様な業種や業態の企業で導入が進んでいます。
SSO機能では、ID統合と多要素認証により、社内外からのアクセスを安全に制御できます。また、情報漏洩防止(DLP)や標的型攻撃の自動検知と無害化など、高度なセキュリティ対策も備えています。月間稼働率は99.9%以上を保証しており、管理者とユーザーの双方にとって使いやすい、直感的なUIも特長の一つです。
参考:HENNGE One
CloudGate UNO

CloudGate UNOは、ゼロトラスト時代に対応した国産のクラウド型SSO・ID管理サービスで、1,400社以上への導入実績があります。SAML連携によるシングルサインオンに加え、多要素認証(MFA)や端末証明書によるアクセス制限、Active Directoryとの連携など、セキュリティと利便性を兼ね備えた機能を提供しています。
ユーザー単位でアクセスルールや認証方式を柔軟に設定できるほか、スマートフォンを活用した認証アプリ「Pocket CloudGate」やYubiKeyによるパスワードレス認証にも対応しています。企業ごとのワークスタイルやセキュリティポリシーに応じた高度なアクセス制御を、シンプルな操作で構築できます。
IceWall SSO

出典:https://www.hitachi-solutions.co.jp/icewall/
IceWall SSOは、日立ソリューションズが提供する国産のWebシングルサインオンソリューションで、利便性とセキュリティの両立を実現します。リバースプロキシ型とエージェント型の2方式から選択できるため、既存システムの構成やセキュリティポリシーに応じた柔軟な導入が可能です。
ポリシーベースのアクセス制御に対応しており、モバイル端末やクラウドサービスとの連携もスムーズです。Microsoft Entra IDやSalesforceなどの主要クラウドサービスとも連携でき、オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド環境にも適応します。
さらに、フォーム認証代行やリアルタイムのアクセスログ出力、自動ID探索といった多彩な機能を備えており、SAMLに対応していないアプリケーションへのSSOも実現できます。
参考:IceWall SSO
Gluegent Gate

出典:https://www.gluegent.com/service/gate/
Gluegent Gateは、SSOや多要素認証、アクセス制限、統合ID管理を一元的に提供する国産のIDaaSソリューションです。シンプルで使いやすいUIが特長であり、ユーザーやサービスごとに柔軟なアクセス権限の設定が可能です。パスワードレス認証にも対応しており、Google WorkspaceやMicrosoft 365などのクラウドサービスともスムーズに連携できます。
SSO機能では、クラウド・オンプレミスを問わず、一度のログインで複数のサービスにアクセスが可能です。生体認証(FIDO2)や端末証明書による認証、リスクベース認証など、高度なセキュリティ機能も標準で備えています。また、Gluegent Flowとの連携により、ID申請から承認までのワークフローを効率化でき、ID管理業務の負担軽減にもつながります。
AccessMatrix USO

AccessMatrix USOは、幅広いアプリケーションに対応可能な高機能SSOソリューションです。金融機関など、高度なセキュリティが求められる業界を中心に、多くの導入実績があります。
Webアプリケーションやクラウドサービスに加え、AS/400端末エミュレータ、仮想化アプリケーション、スクラッチ開発製品にも対応できる点が大きな特長です。
導入時に既存システムの改修は不要で、ネットワーク構成やアプリケーションに手を加えることなく運用を開始できます。「非侵襲(Non-intrusive)」な設計により、小規模な構成からスムーズに導入を始められます。
さらに、オフラインモード(PSE)にも対応しており、SSOサーバとの接続が一時的に失われた場合でも、認証機能を継続して利用できます。これにより、業務停止のリスクを最小限に抑えることが可能です。
LastPass Business

出典:https://www.lastpass.com/products/business
LastPass Businessは、パスワードとアクセス管理を効率化するクラウド型のSSO・ID管理ツールです。従業員ごとに暗号化されたパスワード保管庫(Vault)を提供し、社内外のデバイスから安全にログインや情報共有が行えます。パスワードの自動入力や共有機能に加え、ダークウェブモニタリングも備えており、利便性とセキュリティの両立を図れます。
SSO機能では、事前に統合された数百のクラウドアプリと連携が可能です。さらに、Business Maxプランでは無制限のSSOアプリに対応しています。加えて、Federated Loginや高度な多要素認証(MFA)、ディレクトリ連携、SaaS利用状況の可視化といった機能も備えており、多機能な管理コンソールを通じて企業全体のセキュリティポリシーを一元的に管理できます。
JumpCloud

JumpCloudは、ID管理、デバイス管理、アクセス制御を統合したクラウドベースのディレクトリプラットフォームです。シングルサインオン(SSO)機能を中心に、ゼロトラストセキュリティの実現を支援します。Windows、macOS、Linux、Android、iOSなどのクロスOS環境に対応しており、さまざまな端末からのアクセスを安全かつ一元的に管理できます。
SSO機能では、SAMLやOpenID Connectに対応し、数千のクラウドアプリケーションと連携が可能です。さらに、SCIMやAPIを利用したユーザーライフサイクル管理、パスワードマネージャーとの統合にも対応しており、業務アプリへのスムーズな認証を実現します。また、LDAPやRADIUSによるディレクトリ連携、高度な多要素認証(MFA)機能も備えており、柔軟で強固なセキュリティ体制を構築できます。
参考:JumpCloud
セキュリティと業務効率を高めるために、自社に最適なSSOを選ぼう

SSOは、煩雑なID・パスワード管理を簡素化し、業務効率とセキュリティを同時に高める効果的な手段です。特にリモートワークやクラウドサービスの普及が進む今、SSOの導入は企業にとって不可欠なインフラといえます。近年は多要素認証やアクセス制御、統合ID管理など、セキュリティ機能が強化された製品も豊富に提供されており、用途や規模に応じて最適な選択が可能です。
導入にあたっては、自社の利用環境や将来的な拡張性を見据えて慎重に製品を比較検討し、信頼できるベンダーのサポートを活用することが重要です。ぜひ本記事を参考に、セキュリティと利便性を両立できるSSOを導入し、自社のIT基盤を強化していきましょう。