近年、問い合わせ対応や情報共有の効率化を目的に、FAQシステムを導入する企業が急増しています。しかし、市場には多種多様なシステムが存在し、自社に最適なツールをどう選べばよいか悩む担当者も多いのではないでしょうか。FAQシステムは、顧客の自己解決を促進し、問い合わせ件数を削減するだけでなく、従業員の負担軽減やナレッジの蓄積にもつながる重要なツールです。
そこで今回は、FAQシステムの概要から導入メリット、注意点、選定ポイントまでを詳しく解説したうえで、導入実績や機能性に優れたおすすめのFAQシステムを紹介します。ぜひ、自社の課題に合った最適なシステムを見つけるための参考にしてみてください。
目次
FAQシステムとは?

FAQシステムとは、「よくある質問(Frequently Asked Questions)」を集約し、ユーザーが簡単に検索・閲覧できるよう整理できるシステムです。これにより、ユーザー自身が疑問を解決できるセルフサービスを提供でき、サポート業務の効率化に貢献します。
例えばECサイトでは、顧客からの基本的な質問に即時対応できるため、問い合わせ対応の負担を軽減できます。FAQシステムは社外対応だけでなく社内にも活用されており、従業員が必要な情報を迅速に取得できる環境を整える役割も果たしています。
FAQシステムの必要性
FAQシステムは、顧客体験の向上や業務効率化に欠かせないシステムです。特に、次のような効果が期待できます。
まず、問い合わせ対応の工数を削減できる点が挙げられます。ユーザーがFAQを通じて自己解決することで、コールセンターやサポート部門の負担が軽くなります。
また、FAQは24時間いつでも利用できるため、顧客の「すぐに知りたい」というニーズにも対応しやすく、満足度向上につながります。
さらに、情報をFAQとして一元化することで、社内での情報共有もスムーズになります。部署間の認識ズレを防ぎ、業務の属人化を抑えるうえでも効果的です。
このような理由から、多くの企業でFAQシステムの導入が進んでいます。
チャットボットとの違い
FAQシステムとチャットボットは、それぞれ異なるニーズに応えるツールです。FAQシステムは、キーワード検索やカテゴリ選択を通じて情報を探す仕組みで、長文や詳細な内容の表示に適しています。
一方、チャットボットはAIとの会話形式で情報を提供し、簡潔な回答をスピーディーに返すのが特長です。例えば、FAQでは「返品手続きの全体的な流れ」をまとめて確認するのに向いており、チャットボットは「返品リンクを送る」といった特定の処理を素早く実行できます。
両者の特性を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。
クラウド型・オンプレ型の違い
FAQシステムには「クラウド型」と「オンプレ型」があります。
クラウド型はインターネット経由で提供されるため、導入や運用の手間が少なく、初期費用を抑えられるのが特徴です。一方、オンプレ型は自社サーバーにインストールする形式で、カスタマイズ性やデータ管理の柔軟性に優れています。
例えば、情報セキュリティが重視される業界では、オンプレ型が選ばれる傾向があります。ただし、運用には手間がかかるため、小規模な企業や短期間での導入を目指すケースでは、クラウド型の方が適しているといえるでしょう。
FAQシステムの種類

FAQシステムは利用シーンに応じて大きく3つの種類に分類されます。それぞれの特徴や導入効果を理解して最適なシステムを選びましょう。ここからはそれぞれの種類の詳細について解説していきます。
コールセンター(オペレーター)向けFAQシステム
コールセンター向けのFAQシステムは、オペレーターが顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に対応するための支援ツールです。過去の対応履歴やナレッジを活用し、統一された回答を提示できるため、応対品質のばらつきを抑え、全体の水準を引き上げることが可能です。
また、新人オペレーターの育成期間を短縮できる点も大きなメリットです。対応マニュアルや過去事例をすぐに参照できるため、実務を通じて効率よくスキルを習得できます。
一部のシステムではCRMと連携し、顧客情報をもとにパーソナライズされた回答を提示する機能も備わっています。顧客対応力を高めたい企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
社外(顧客)問い合わせ向けFAQシステム
社外向けFAQシステムは、Webサイトやアプリを通じて顧客が自ら疑問を解決できるシステムです。問い合わせの多い内容を「よくある質問」として整理し、直感的に検索・閲覧できるよう設計されています。
このシステムを導入することで、コールセンターの対応負荷を軽減できるほか、顧客満足度の向上も期待できます。また、24時間365日利用可能であるため、時間や場所にとらわれずに情報提供ができる点も大きなメリットです。
社内(従業員)問い合わせ向けFAQシステム
社内向けFAQシステムは、従業員からの問い合わせ対応を効率化するためのツールです。例えば、IT部門がシステムの使い方を説明したり、人事部門が各種手続きに関する質問へ対応したりする場面で活用されています。
社員が自ら疑問を解決できる仕組みを整えることで、業務の効率化が図れるだけでなく、バックオフィス部門の負担軽減にも貢献します。
特に在宅勤務が広がる現在では、従業員が場所を問わずアクセスできる環境の重要性が高まっており、社内FAQシステムの導入が有効な手段となっています。
FAQシステムを導入することのメリット

FAQシステムの導入は、企業の問い合わせ対応業務を効率化し、顧客満足度を向上させます。ここからは、その導入メリットを詳細に解説します。
問い合わせ件数を削減し、コストを削減する
FAQシステムを導入することで、顧客が自ら問題を解決できる環境を整えられます。その結果、問い合わせ件数が大幅に減り、コールセンターやサポート担当者の負担軽減につながります。
対応業務の効率化により、人員配置の見直しや人件費の削減が可能となり、コスト面でも大きな効果が期待できます。加えて、FAQの内容を継続的に改善していけば、より迅速な問題解決が実現し、顧客満足度の向上にもつながります。
顧客満足度の向上に貢献する
FAQシステムは、24時間365日いつでも利用できる自己解決手段を顧客に提供します。顧客は都合のよいタイミングで問題を解決できるため、ストレスの軽減につながり、満足度の向上が期待できます。
さらに、正確かつ網羅的なFAQを整備しておくことで、必要な情報に素早くたどり着けるようになり、企業への信頼感を高める効果もあります。
従業員の負担軽減と業務効率化
FAQシステムを導入することで、従業員が顧客対応に費やす時間を削減でき、コア業務に専念しやすくなります。特に、よくある問い合わせへの対応負担が軽減されるため、業務全体の効率が向上し、職場環境の改善にもつながります。さらに、新人教育の一環としても活用できるため、早期に実務を担える人材を育成しやすくなります。
ナレッジの蓄積と活用が可能になる
FAQシステムは、問い合わせ内容や対応履歴を蓄積し、社内の知識共有と活用を促進します。蓄積された情報は、顧客対応の質を高めるだけでなく、商品やサービスの改善にもつながります。また、ナレッジを組織全体で活用することで、特定の従業員に依存しない体制が整い、属人化の防止にも効果があります。
検索性の向上で迅速な情報提供を実現する
FAQシステムには検索機能が備わっており、顧客や従業員が必要な情報に素早くアクセスできます。キーワード検索やカテゴリー分類が充実しているため、適切な情報を効率よく見つけることが可能です。その結果、問い合わせ対応にかかる時間が短縮され、業務全体の効率化にもつながります。
FAQシステムを導入する際に理解しておくべき注意点

FAQシステムを導入する際には、いくつかの課題や注意点を把握しておくことが重要です。ここでは、導入後に想定される制約や問題点を詳しく解説します。
一般的な質問にしか対応できない
FAQシステムは、よくある質問への対応には適していますが、個別のニーズや特殊な質問には対応しきれないケースがあります。これは、FAQが過去の問い合わせデータをもとに構築されているためです。その性質上、すべての問い合わせを解決できるわけではなく、あくまで一般的な問題の解消にとどまる可能性がある点を理解しておく必要があります。
例えば、特定の技術的な内容や、契約内容の詳細に関する質問などは、FAQでは対応できないことが多く見られます。このような場合には、チャットボットや有人サポートを組み合わせて運用することが望ましいでしょう。
初期構築やコンテンツの準備に時間がかかる
FAQシステムを効果的に運用するには、質の高いコンテンツの整備が欠かせません。初期構築の段階では、ユーザーから寄せられる頻度の高い質問を収集し、それらを正確に整理・編集する作業が求められます。
特に、問い合わせデータが大量に存在する場合は、重要な項目を選び出すプロセスに相応の時間と労力がかかります。また、FAQが実際に活用されるためには、検索性の高さや構造のわかりやすさにも配慮する必要があります。
こうした準備を疎かにすると、導入後にシステムが活用されず、期待した効果を得られない可能性もあります。そのため、初期段階から計画的に進めることが重要です。
継続的な更新・メンテナンスが必要になる
FAQシステムは、一度構築すれば完了というものではありません。ユーザーのニーズや問い合わせ内容は時間とともに変化するため、継続的な更新とメンテナンスが求められます。
定期的に内容を見直し、新たに寄せられた質問や最新情報を反映することで、常に有効な情報提供が可能になります。また、FAQが適切に機能するためには、検索精度の向上も欠かせません。検索ログを分析し、ユーザーが求める答えにたどり着けているかを確認することが重要です。不足しているキーワードや改善点を洗い出し、随時反映していく必要があります。
このように、FAQシステムを効果的に運用するには、継続的な改善体制を整えることが成功のカギとなります。
導入コストが高額になる場合がある
FAQシステムの導入には、一定のコストが伴うことがあります。特にオンプレミス型を採用する場合は、初期費用に加えてサーバーの管理や保守にも費用がかかります。さらに、高度なカスタマイズが求められるケースや、AI機能を搭載したシステムを選ぶ場合は、全体のコストが一段と増える可能性があります。
一方、クラウド型のシステムであれば、初期費用を抑えやすい反面、毎月の利用料金が発生します。そのため、導入にあたっては各種費用を正確に把握し、自社の予算や目的に適したシステムを選定することが大切です。
導入効果を最大化するには、システムの目的を明確にし、費用対効果を見極めたうえでの判断が求められます。
AIや自動化機能が精度不足の場合もある
FAQシステムにAIや自動化機能を組み込む場合、その精度に課題が生じることもあります。特に、自然言語処理を活用した検索や回答生成では、ユーザーの質問を正確に理解できないケースも見られます。例えば、同じ意味でも異なる言い回しが使われていたり、曖昧な質問に対して適切な回答が提示できなかったりすることがあります。
さらに、AIモデルが学習するデータが不十分な場合、誤った回答を出力してしまうリスクも否定できません。こうした問題を防ぐには、初期段階で十分なトレーニングデータを用意し、運用後も継続的にデータを追加・調整することが求められます。
AIの活用は効果的ですが、それだけに頼るのではなく、人による監視やチューニングを併用することが重要です。
利用状況の分析や改善に手間がかかる
FAQシステムを最大限に活用するには、利用状況の分析と継続的な改善も大切です。ユーザーがどの質問を閲覧しているか、どの検索ワードが多く使われているかを把握することで、FAQの精度向上や新たなコンテンツの追加が可能になります。
ただし、このプロセスには一定の手間も伴います。具体的には、ログデータの収集と解析を行い、そこから得たインサイトをもとに改善施策を立案・実行する必要があります。
さらに、利用率を高めるためには、UI/UXの見直しや利用促進を目的としたプロモーション施策の検討も重要です。これらの作業を効率的に進めるためには、FAQシステムにデータ分析ツールを統合するか、もしくは専任の運用チームを設けるとよいでしょう。
FAQシステムの導入手順を7ステップで解説

FAQシステムを導入する際の手順を7つのステップに分けて解説します。初めて導入を検討する方は、確認しておきましょう。
ステップ1:ニーズの明確化
FAQシステムを導入する前に、まず目的と課題を明確にしておくことが大切です。システムを導入する理由を具体的にすることで、自社に適した機能を備えたシステムを選びやすくなります。
例えば、「問い合わせ対応の負担を軽減したい」「顧客満足度を高めたい」「社内の業務効率を上げたい」といった目的を整理しておくとよいでしょう。また、FAQの利用者が顧客なのか社員なのかを明確にし、それぞれの利用シーンを想定することも欠かせません。
導入の目的を明確にすることで、システム選定や設計だけでなく、導入後の効果測定にもつながります。
ステップ2:適切なFAQシステムの選定
FAQシステムは、利用目的に合ったものを選ぶことも大切です。市場には無料から有料まで多様なシステムがあり、それぞれに特徴があります。選定時には、検索機能の使いやすさやモバイル対応の有無、データ分析機能の充実度などを確認しましょう。
さらに、既存システムとの連携が可能か、カスタマイズの柔軟性があるかも重要なポイントです。特に初めて導入する場合には、サポート体制が整っているサービスを選ぶことで、安心して運用をスタートできます。
ステップ3:質問と回答のリストアップ
FAQシステムに掲載する内容を整理する際は、過去の問い合わせ履歴や社内外から頻繁に寄せられる質問をもとに、必要なQ&Aを抽出してリスト化します。質問は簡潔かつ具体的に表現し、回答は正確でわかりやすい内容を心がけましょう。
また、質問と回答はカテゴリ別に分類しておくと、利用者が目的の情報にスムーズにたどり着きやすくなります。
ステップ4:FAQシステムの設定とカスタマイズ
FAQシステムを導入した後は、初期設定とカスタマイズが必要になります。まずは、回答内容をカテゴリごとに整理し、検索機能を最適化することが重要です。加えて、ブランドイメージに合ったデザインへ調整し、必要であれば他のシステムとの連携も検討しましょう。操作性の高いユーザーインターフェースを整えることで、利用者にとって使いやすいFAQシステムを構築できます。
ステップ5:テスト運用と改善作業
システム導入後は、実際の運用テストを行い、課題点を明確にします。利用者からのフィードバックを集め、わかりにくい操作や機能の不足を見直しましょう。例えば、検索精度の向上や回答内容の充実を図ることで、利用率の向上が期待できます。こうした改善を定期的に実施することが、運用を成功させるカギとなります。
ステップ6:社内外への公開と周知活動
FAQシステムの運用を開始したら、社内外への周知を行いましょう。公開のタイミングにあわせて、利用方法をわかりやすく伝えることが大切です。
例えば、利用ガイドを作成して配布したり、社内向けにトレーニングを実施したりすると、スムーズな定着につながります。周知が不十分なままだと、せっかく導入したシステムが十分に活用されないおそれがあります。
ステップ7:継続的な更新と効果測定
FAQシステムは、一度構築すれば完了というものではありません。継続的に更新と効果測定を行い、常に最新の状態を保つことが求められます。
例えば、新たに寄せられた質問の追加や、既存の回答内容の見直し、アクセス状況の分析などが代表的な作業です。こうした取り組みにより、改善すべきポイントを明確にし、ユーザー満足度の向上と業務の効率化につなげていくことが可能になります。
FAQシステムを選定する際のポイント

FAQシステムを選ぶ際には、自社に必要な機能、導入形態、使いやすさ、カスタマイズ性、セキュリティ対策などを確認し、最適なシステムを選ぶことが重要です。ここでは、FAQシステムを選定する際のポイントを紹介します。
必要な機能を網羅しているか確認する
FAQシステムを選定する際には、自社に必要な機能がきちんと備わっているかを確認することが重要です。
例えば、顧客がスムーズに情報へたどり着けるよう、「自然文検索」や「タグ検索」などの検索機能は欠かせません。これにより、ユーザーが自ら問題を解決できる可能性が高まります。
また、FAQの作成・更新を効率化するには、「テンプレート機能」や「CSV一括アップロード機能」が役立ちます。さらに、FAQの内容を継続的に改善していくためには、「ユーザーフィードバックの収集機能」や「利用状況の分析機能」があると効果的です。利用傾向を可視化することで、より使いやすいシステムへと最適化が図れます。
導入形態(クラウド型・オンプレ型)の選択
FAQシステムの導入には、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウド型は初期費用を抑えやすく、短期間で導入できる点が特徴です。特に、ITリソースが限られている企業には適した選択肢といえます。
一方、オンプレミス型は高度なカスタマイズ性とセキュリティ性を備えており、自社内での厳密なデータ管理が求められるケースに向いています。ただし、導入時の費用や保守・運用にかかるコストが大きくなる点には注意が必要です。
導入形態を選ぶ際は、予算やITリソースの状況、求められるセキュリティレベルを踏まえて検討しましょう。また、クラウド型を選ぶ場合でも、セキュリティ対策が信頼できるサービスプロバイダーを選定することが重要です。
操作性が高く、ユーザーが使いやすいか
FAQシステムは、直感的に操作できる使いやすさも重要です。例えば、ユーザーが知りたい情報にすぐアクセスできるよう、「サジェスト検索」や「カテゴリー検索」といった機能が求められます。
さらに、FAQページのデザインやナビゲーションがシンプルでわかりやすいかどうかも、大切なポイントです。
運用面では、オペレーターがFAQを手軽に更新できる編集機能や、複数人でリアルタイムに作業できる共同編集機能が備わっていると便利です。これにより、管理作業が効率化され、ユーザー体験の向上にもつながります。
誰でも扱いやすい、初心者に優しいシステムを選ぶことが望ましいといえるでしょう。
カスタマイズ性と将来の拡張性を確認する
FAQシステムを選定する際は、カスタマイズ性と将来の拡張性にも注目すべきです。自社の業務プロセスやブランドイメージに沿って、FAQページのデザインを柔軟に調整できるかを確認しましょう。システム全体の仕様を、自社の変化に合わせて変更できるかどうかも重要な判断材料です。
さらに、企業の成長や新たなサービス展開に対応できるかも見逃せません。例えば、ユーザー数やFAQの登録件数が増えた際に、スムーズに拡張できる設計かどうかをチェックしておきましょう。一部のシステムでは、追加機能の導入や外部ツールとの連携にも柔軟に対応可能です。
このように、導入後も継続的に使い続けられる拡張性の高いFAQシステムを選ぶことで、長期的な運用メリットが期待できます。
セキュリティ対策が十分に施されているか
FAQシステムにおけるセキュリティ対策は、特に顧客情報を取り扱う場合において欠かせません。例えば、通信内容を保護するSSL/TLSによる暗号化や、不正アクセスを防ぐ二要素認証の導入が求められます。
加えて、定期的な脆弱性診断の実施や、データの自動バックアップ機能が備わっているかも重要なポイントです。さらに、システム管理者に対するアクセス権限の制限や、操作履歴を記録するログ機能があれば、セキュリティ管理の効率化にもつながります。
セキュリティ対策が不十分だと、情報漏洩や顧客からの信頼喪失といった重大なリスクが生じかねません。安心して運用するためにも、堅牢なセキュリティ機能を備えたシステムを選ぶことが大切です。
サポート体制や導入後のフォローアップ
FAQシステムを選定する際は、導入後のサポート体制にも注目しましょう。運用開始時に、設定方法や活用方法を丁寧に説明してくれるサポートがあれば、安心して利用を始められます。
さらに、運用中のトラブルへの対応や、定期的な機能アップデートに関する情報提供も欠かせません。ベンダーによっては、導入後の利用データを分析し、より効果的な運用のための改善提案を行ってくれる場合もあります。
こうしたサポートを活用することで、システムの利便性や成果を継続的に高めることができます。長期的な運用を見据えるなら、充実した支援体制を備えたベンダーを選ぶことが重要です。
費用対効果とコストの妥当性を検討する
FAQシステムを選定する際は、導入および運用にかかるコストと、それによって得られる効果を比較することも重要です。初期費用や月額料金、オプションの追加費用など、総合的なコストを正確に把握したうえで、費用対効果を見極める必要があります。
例えば、システム導入によって問い合わせ件数がどれだけ減るのか、顧客満足度がどの程度向上するのか、業務がどのくらい効率化されるのかといった点を数値で示すことで、判断がしやすくなります。
あらかじめ無料トライアルを活用して、実際の効果を体感してみるのも一つの方法です。無駄なコストを抑えつつ、最大限の効果を得られるシステムを選ぶことが、導入を成功させるポイントとなります。
実績や導入事例の信頼性を確認する
FAQシステムを導入する際は、ベンダーの実績や他社での導入事例を確認することも重要です。特に、自社と同じ業種や規模の企業で導入されているケースがあれば、そこから具体的な成功のポイントを学べる可能性があります。
また、過去のユーザーによる評価や口コミも有力な判断材料となります。一部のベンダーでは、導入事例とあわせて得られた効果を詳しく紹介していることもあり、実際の運用イメージを把握するうえで役立ちます。
こうした情報を総合的に確認することで、信頼性の高いシステムを選びやすくなり、導入後のトラブル回避やスムーズな運用につながります。
おすすめのFAQシステム10選

ここでは、導入実績や機能面で優れたFAQシステムを10種厳選し、それぞれの特長と選定のポイントをご紹介します。
ツール名 | 特徴 | 強み/用途 | 価格プラン例 |
---|---|---|---|
Tayori | フォーム・FAQ・チャットボット等を一括提供 | 中小企業向け、導入実績7万超 | フリー:0円 スターター:3,800円 プロ:9,400円 エンタープライズ:25,400円 |
Zendesk | 多チャネル統合対応のグローバル製品 | 大企業向け、導入実績10万社 | 要問い合わせ(機能・人数により変動) |
Helpfeel | 意図予測検索搭載で検索ノーヒット率0% | AI検索、曖昧表現に強い | パッケージ型(個別見積もり制) |
PKSHA FAQ | 生成AI搭載・SEO対策済 | 大規模運用向け、導入実績1,500超 | 要問い合わせ(サイト規模に応じて見積) |
さっとFAQ | Excel対応の簡単設計・高コスパ | 中小〜大規模向け、月1万円〜 | エントリー:10,000円 ベーシック:30,000円 アドバンス:50,000円 |
sAI Search | AIタグ選択で直感的検索 | 導入即日運用可、CX向上重視 | 要問い合わせ(目的別に提供) |
Commune | FAQ+コミュニティ+顧客育成機能 | 大企業での活用多数(JAL・日産他) | 要問い合わせ(カスタマイズ前提) |
Confluence | ナレッジ共有型、社内FAQ構築に最適 | Jira等と連携、開発部門・IT部門向け | 無料〜有料(ユーザー数と機能で変動) |
Freshdesk | 多チャネル対応+FAQ+自動化 | 中〜大規模チーム向け | フリー:0円 GROWTH:2,200円〜 PRO:7,200円〜 |
COTOHA Chat & FAQ | NTTの自然言語処理・25言語対応 | 高セキュリティ・公的機関向けにも対応 | 月額195,000円〜(税込214,500円〜) |
Tayori

Tayoriは、フォーム作成、FAQ、アンケート、AIチャットボット、有人チャットといった機能をワンストップで提供する多機能型のFAQシステムです。FAQ機能では、直感的な操作でよくある質問やナレッジベースを簡単に構築でき、社内外からの問い合わせ対応を効率化できます。
「IPアドレス制限」や「パスワード保護」など、セキュリティ面にも十分に配慮されており、企業での利用にも適しています。また、月額0円から利用できるフリープランに加えて、機能を拡張できる有料プランも用意されているため、導入しやすいのが特長です。
さらに、LINEとの連携やAIチャットボットの3分設置、利用状況の可視化などにより、サポート業務の自動化と高度化を実現。導入実績は7万社を超え、多様な業種で活用されています。
参考:Tayori
Zendesk

Zendeskは、世界10万社以上に導入されている統合型カスタマーサービスソリューションです。FAQ管理やチケット管理、ナレッジベース、チャットなど、多彩な機能を一元的に提供し、あらゆるチャネルからの問い合わせにスムーズに対応できます。
特に、Zendesk AIを活用することで、自動応答やセルフサービスの品質が向上し、問い合わせ件数の最大15%削減も期待されています。クラウド型のため、迅速な導入が可能です。
さらに、3年間の平均ROIが286%という調査結果もあり、費用対効果の高い選択肢として注目されています。中小企業から大企業まで、業種を問わず幅広く活用されています。
参考:Zendesk
Helpfeel

Helpfeelは、特許技術「意図予測検索」を搭載したAI型FAQシステムです。検索ノーヒット率0%という高精度な検索性能を備えており、曖昧な入力やスペルミスにも柔軟に対応。ユーザーを的確な回答へと瞬時に導くことで、最大64%の問い合わせ削減に貢献します。
編集画面は直感的で使いやすく、ナレッジの作成や分析もスムーズに運用可能です。さらに、ISMS認証を取得した堅牢なセキュリティ体制に加え、月次定例会を含む専任チームによるサポートも万全。導入後の活用まで安心して任せられる点が、大きな強みとなっています。
参考:Helpfeel
PKSHA FAQ

出典:https://aisaas.pkshatech.com/faq/
PKSHA FAQは、累計1,500サイト以上への導入実績を持つ高機能なFAQシステムです。カテゴリ検索やタグ検索、ランキング表示など、多彩な探索機能を備えており、ユーザーの自己解決を力強く支援します。
さらに、生成AIによるFAQの自動作成機能やSEO対策も搭載されており、検索エンジンからの流入にも強みがあります。社内外のナレッジや応対ログを一元管理できるため、大規模な運用にも対応可能です。
デザインのカスタマイズ性にも優れており、自社のブランドイメージに沿ったUIの構築が行えます。加えて、オンボーディング支援や運用サポートも整っているため、初めての導入でも安心です。
参考:PKSHA FAQ
さっとFAQ

さっとFAQは、月額1万円から利用できる、コストパフォーマンスに優れたFAQチャットボットサービスです。Excelで簡単に会話データを作成でき、最短3日で導入可能なスピード感も魅力の1つ。
シナリオ形式の対話や話し言葉への対応、分析ダッシュボードなど、日々の運用を支える機能も充実しています。さらに、生成AIやビジネスチャット(LINE WORKS・InCircleなど)との連携にも対応しており、社内外の問い合わせ対応を効率化できます。
すでに500社以上の導入実績があり、初めて導入する企業でも安心して利用を始められます。
参考:さっとFAQ
sAI Search

出典:https://saichat.jp/saisearch/
sAI Searchは、ユーザーの疑問をAIが先回りして予測し、タグを選ぶだけで回答にたどり着ける、直感的なFAQシステムです。従来のキーワード検索に依存せず、高い解決率を実現しているのが特長で、FAQデータをアップロードするだけで、その日から運用を始められる手軽さも魅力です。
用途に応じて、コールセンター向けや社内ヘルプデスク向けといった専用パッケージを用意。導入企業には花王、東京スター銀行、JALなどの名も挙がります。業務効率の向上とカスタマーエクスペリエンスの最適化を同時にかなえたい企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
参考:sAI Search
Commune

Communeは、FAQ機能をはじめとする顧客とのコミュニケーション基盤を構築できるコミュニティプラットフォームです。FAQにとどまらず、ユーザー同士の情報共有やファン育成、カスタマーサクセスの強化までを一貫して支援します。
ノーコードで構築できるため、ITに詳しくない方でも柔軟に運用が可能です。社内外のナレッジ共有にも対応しており、情報資産の活用を促進します。
パナソニック、日産、JALといった大手企業にも導入されており、運営リソースの代行や専任サポートも用意されています。FAQ機能を起点に、顧客との接点を広げたい企業に適したサービスといえるでしょう。
参考:Commune
Confluence

出典:https://www.atlassian.com/ja/software/confluence
Confluenceは、Atlassian社が提供するナレッジ共有・共同編集プラットフォームです。社内FAQの構築にも適しており、文書作成やナレッジベースの整備をノーコードで実現できます。
AIによるドキュメントの要約や入力支援機能が備わっているため、作業効率の向上にもつながります。リアルタイムでの共同編集や豊富なテンプレートの活用により、部門間の情報連携がスムーズに行えるのも特長です。
さらに、JiraやSlack、Google Driveなど主要な業務ツールとの連携性にも優れており、情報の一元管理と高い検索性を両立しています。属人化を防ぎ、チーム全体で知識を共有・蓄積したい企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。
参考:Confluence
Freshdesk

出典:https://orangeone.jp/freshworks/desk/
Freshdeskは、世界5万社以上に導入されているクラウド型の問い合わせ管理・FAQシステムです。メールやLINE、Slackなど、複数のチャネルからの問い合わせを一元管理でき、対応漏れの防止やチーム内の連携強化に役立ちます。
AIによるFAQの自動提案やチャットボット、カスタマーポータル機能を備えており、顧客の自己解決を促進します。また、分析レポートやワークフロー自動化機能も充実しているため、工数の削減と顧客満足度の向上を同時に実現できます。
無料プランから大規模運用向けのエンタープライズプランまで幅広く対応しており、日本語によるサポートも整っています。
参考:Freshdesk
COTOHA Chat & FAQ

出典:https://www.ntt.com/business/services/application/ai/cotoha-cf/lp.html
COTOHA Chat & FAQは、NTTコミュニケーションズが提供する高精度なAIチャットボット型のFAQシステムです。独自のセマンティック検索技術により、キーワードではなく質問の「意味」を理解し、最適な回答を提示します。
チャットボットや検索ボックス、問い合わせフォームなど、多様なUIに対応しており、JavaScriptを追加するだけで既存サイトへの導入もスムーズです。有人チャットとの連携に加え、25言語に対応した多言語機能も搭載しており、グローバルな展開にも適しています。
さらに、導入後の運用支援やFAQの整備代行サービスも提供されており、初期構築から継続的な改善まで安心して任せられる点も魅力です。
自社の課題に合ったFAQシステムを導入しよう

FAQシステムは、顧客対応の効率化や社内業務の負担軽減を実現するうえで、今や欠かせない存在です。近年では、AIによる回答支援やチャットボット連携など、高機能なシステムが多数登場しており、自社のニーズに合った選定が重要です。導入には初期構築や継続的なメンテナンスも必要ですが、長期的には問い合わせ対応の工数削減や顧客満足度の向上に大きく貢献します。
今回ご紹介した10のFAQシステムを比較しながら、目的や利用シーンに最適なツールを見つけ、自社の課題解決に役立てましょう。